家電メーカL社の掃除機事業部は,自社の工場で掃除機を製造し,販売している。製造した掃除機は,工場の倉庫に保管された後,量販店などに出荷される。現在,掃除機事業部は,来年度の予算策定の作業を開始したところであり,上司の販売計画部長から利益改善に向けた計画を作るよう指示を受けたH君は,今年度の損益見込を分析することにした。【掃除機のタイプと市場分析】L社の掃除機は,4タイプに分けられる。各タイプの特徴と,市場成長率及びL社の市場占有率に関する市場分析結果は,次のとおりである。・家庭用移動型:横に長い本体を移動させながら使用するタイプの掃除機で,主に家庭用で使用されている。低い家具が多い和室の掃除に適している。市場成長率は低いが,L社の市場占有率は高い。・業務用移動型:縦の円筒形をした本体を移動させながら使用するタイプの掃除機で,集じん容積が大きく,主に業務用で使用されている。市場成長率及びL社の市場占有率ともに低い。・スティック型:縦型棒状のスリムで軽量な掃除機で,ワンルームの一人暮らし向けや,家庭用の2台目の掃除機として人気がある。市場成長率及びL社の市場占有率ともに高い。・ハンディ型:片手で使用可能な小型の掃除機で,車の中,ソファーの隙,PCのキーボードなどを簡単に掃除できる。市場成長率は高いが,L社の市場占有率は低い。H君は,これらの市場分析結果から,どのタイプの掃除機に投資すべきかを検討した。製品ライフサイクルの考え方による導入期から成長期に属するものは,a及びbであり,プロダクトポートフォリオマネジメントの考え方によると,cで得たキャッシュを,d及びeに投資すべきである。H君は,掃除機の4タイプの中で売上高が最も多い家庭用移動型掃除機から詳細に分析することにした。L社では用途が異なる二つの原価計算方式を採っており,そ
(1) 家庭用移動型掃除機合計の年間見込の営業利益が,表1と表2で異なる理由として,適切なものを解答群の中から選び,記号で答えよ。
(2) 本文中のf~hに入れる適切なモデル名を答えよ。解答は,重複してもよい。
下線① Dモデルに掛かってくる配賦以外の費用も加味して営業利益が本当にプラスになるか,経理上の観点から漏れなく確認すること,及び②法的な問題が起きないよう事前に手当てできるかが確認することが必要だと指摘した。