隣接するA市とB市は,半年後に合併を控えており,様々な情報システムの統合を計画している。両市が運営する図書館システムについて,統合を検討した結果,両図書館の貸出し可能な蔵書が確認できる統合検索サービスを実現することにした。その設計は,システム開発会社のC君が担当することになった。 A市とB市の現在の図書館システムのテーブル構造を表1と表2に示す。表1と表2において,下線は主キーを表す。 C君が統合検索サービスの実現方式について,調査検討を行った結果を次に示す。 ・両システムの蔵書テーブル中の"蔵書番号"には,共に10桁の数字が使われており,"蔵書A"テーブルと"蔵書B"テーブルの間で重複があった。 ・両システムとも貸出記録テーブルの"返却日"の値は,貸出中はNULLを,返却後は返却した日付を設定していた。 ・両システムのテーブルを統合する際,既存のテーブル定義とデータを保持したまま,一つのスキーマ上に各テーブルを実装することにした。 ・統合検索サービスを実現する際,(1)統合検索向けのテーブルを作成して夜間バッチ処理で両市図書館の情報をコピーする方法と,ビューを用いて両市図書館の情報を直接参照する方法を比較し,ビューを用いて実現することにした。 C君が統合検索サービスを実現するために作成した"統合検索"ビューを図1に示す。 [統合検索サービスの拡張] 統合検索サービスの構築中に,市民からの強い要望があり,両市の図書館で貸出可能な蔵書の確認だけでなく,貸出予約もできる機能を追加することになった。そこでC君が検討した結果,両システムの蔵書テーブルに"貸出状況"の列を追加した。追加後の蔵書テーブルを表3に示す。ただし,"貸出状況"の列には"貸出中","貸出可"又は"予約済"(貸出中ではないが,予約されていて借りられない状態)のいずれかが格納されているものとする。貸出予約は,"貸出状況"の値が"貸出可"となっている蔵書を,"予約済"に変更する処理である。 蔵書テーブルの変更後,C君はビューを使って,貸出予約に対応した"統合貸出予約"ビューを図2のとおり作成した。"統合貸出予約"ビューは,"貸出状況"の値が"貸出可"となっている蔵書の一覧を表示するものである。

本文中の下線(1)の方法を用いた場合に,利用者が貸出状況を正しく確認できない可能性がある。その理由を30字以内で述べよ。

図1の"統合検索"ビューは更新不可能なビューである。"統合検索"ビューが更新不可能なビューとなっている理由を解答群の中から選び,記号で答えよ。

図2の"統合貸出予約"ビューで一意キーとなるのはどれか。列名を全て答えよ。