貸金業者のV社は、主要システムの一つである債権管理システムの稼働を7年前に開始し、これまで改修を重ねて、債権管理業務の変更に対応してきた。しかし、業務要件の多様化が進み、業務要件間の整合性を確保することが困難になってきた。そこで、V社の経営陣はシステム更改が必要と判断し、現在、債権管理システムの更改プロジェクト(以下、本プロジェクトという)を推進している。 V社の内部監査部長は、年度監査計画に基づき、システム監査チームに対して本プロジェクトの要件定義の適切性について監査を実施するよう指示した。 〔予備調査〕 システム監査チームは、X年6月上旬に予備調査を行い、本プロジェクトの概要を次のとおり把握した。 (1) システム更改スケジュールの概要は、図1のとおりである。 (2) 本プロジェクトの重要事項を決定する会議体であるプロジェクト運営委員会(以下、運営委員会という)は、V社のシステム部担当役員を議長とし、システム部、債権管理部、法務部の各部長で構成される。運営委員会では、本プロジェクトの重要課題が記載された課題管理表を確認し、必要に応じて各部などに対応を指示する。 運営委員会の会議内容は、議事録に記録される。 (3) 要件定義を行う要件検討会は、運営委員会が指名した各部の部員(以下、要件定義メンバという)で構成される。債権管理部及び法務部の要件定義メンバは、業務要件の検討結果を業務要件一覧にまとめ、システム部の要件定義メンバは、業務要件一覧に基づき、システム要件の検討結果をシステム要件一覧にまとめる。業務要件一覧の一部を表1に、システム要件一覧の一部を表2に示す。 (4) 要件検討会の議事録には、要件定義メンバの出席状況、検討テーマ、質疑応答・意見、検討結果などが記載されている。例えば、X年6月8日に開催された要件検討会の議事録には、"要件定義書の作成が遅れており、X年6月30日までに運営委員会で承認されないおそれがある"と記載されていた。また、V社のプロジェクト管理基準には、要件検討会の開催後に、プロジェクトに参加している各部の管理職全員が、回覧される議事録を閲覧し、記載事項を確認するよう定められている。
解答群
解答群
〔本調査〕(2)②の記述中のb、cに入れる適切な字句を、それぞれ20字以内で答えよ。
解答群
〔本調査〕(4)の記述中のd~fに入れる適切な字句を、それぞれ10字以内で答えよ。